ども!ファイナンシャルプランナー2級のまとんです。
新社会人は、慌てて保険に入りがち。
しかし、その保険は本当に必要でしょうか?流されるまま、加入していませんか?
この記事では、ファイナンシャルプランナーの立場から、保険の必要性について語ります。
「社会人になったら、保険に入って、しっかりしようね」を鵜呑みにしてはいけない
新社会人は、新卒入社した会社に勧められて、慌てて保険に入りがちです。
保険屋がよく使う常套句は「社会人になったら、保険に入って、しっかりしましょう」です。
しかし、それをそのまま真に受けてはいけません。
ちゃんと自分で考えて、本当に必要かどうか考えましょう。
インターネットで自分で調べよう
例えば、あなたが電化製品を買うとしたら、amazonや価格ドットコムでレビューを調べるでしょう。
レストランに入ろうと思ったら、食べログで星が多いお店を選ぶでしょう。
同じように、保険も自分で選ぶべきです。インターネットですぐに調べられるのですから。
会社が斡旋する保険屋に流されたり、「会社がオススメするのだから、良い保険なのだろう」と妄信してはいけません。
保険と自分の会社は関係ない
新社会人は、「この保険に入れば、会社に忠誠心を示せるのでは・・・?」など、変な勘違いをしがちです。
そんなことは全くありません。保険の運営会社は、違う会社です。そんなことで差別はされません。
なぜ新社会人が保険屋に狙われるのか?
理由は主に二つ。
1. 学生から社会人になり定期収入が得られて、金銭的余裕が生まれるタイミングであること。
2. 社会人の仲間入りをして、なんとなく「しっかりしよう」という意識が高くなっているタイミングであること。
こういった人を狙えば、保険に加入してもらえるだろうと、ピンポイントで狙ってきます。
保険はビジネスだということを忘れないようにしよう
保険の営業マンは、保険に加入させた歩合で評価されています。
なので、打率が高い客層を狙って営業を仕掛けていきます。
新社会人は、ヒット率が高い「美味しい」マーケットと認識されています。
観光地で、観光客に割高なおみやげを買わせるのと同じ作戦です。
新社会人はカモられているということを、忘れないようにしましょう。
新社会人が入りがちな保険商品
新社会人が入りがちな保険商品を列挙していきます。
これらは、僕も新入社員研修の途中に勧誘されたものです。
生命保険
死亡リスクに備える保険です。
自分が不慮の事故で亡くなったときに、保険金受取人が保険金を受け取ることができます。
よくある使い方は、家計を支えている夫が亡くなった後に、残された妻子が路頭に迷わないように、保険をかけておく、という使い方です。
「結婚したとき」「子供が産まれたとき」「子供が小学校に上がったとき」などのライフイベントのタイミングで、保険の見直しをする際に加入を考えるとよいと思います。
なので、新社会人が入るべき保険ではないでしょう。
仮に新社会人が入る場合、保険金受取人は誰になるでしょうか?ご両親ですか?その保険、本当に必要ですか?
僕が親ならば、そんなことに大事な子供のお金を使ってほしくないです。
医療保険
医療費リスクに備える保険です。
病気にかかって入院や手術を行った際に、保険金を受け取ることができます。
第三分野の保険と呼ばれています(第一は生命保険、第二は損害保険)。
怪我や病気のリスクもありますが、現在では0歳~70歳の人が生涯でガンを罹患する確率が60%を超えています。
僕は個人的に、医療保険にガン特約をつけて加入するのはオススメしています。
個人年金保険
老後資金に備える年金保険です。
現役時代(主に60歳まで)に保険金を払い込んでおけば、定年後に公的年金とは別に、私的年金をもらうことができます。
現在は公的年金だけでは老後に暮らしていけないと言われているので、別の収入源が必要です。
そのために、個人年金を追加でプラスしよう、という使い方をします。
僕の個人的な発想としては、令和時代は人生100年のライフシフトの時代なので、「定年」という概念が無くなると思っています。
つまり、令和時代は生涯現役で働き続けることになります。
僕は「老後には月8万円を稼げばOK」と試算しています。
そのため、老後にも仕事にありつけるように、現役時代はスキルや経験、人脈に投資していくのが大事だと思っています。
また、「老後に公的年金がもらえるどうか分からない!」と言われておりますが、同じように、民間の保険会社が老後まで倒産せずに残っているかどうか、分かりません。
僕は、保険会社にお金を預けておくことにリスクを感じるので、個人年金はオススメしていません。
財形貯蓄
会社の給料から天引きで貯金をする制度です。
自分の会社が財形貯蓄制度を採用している場合に使えます。
メリットとして、財形貯蓄をしていると、家を買うときに「財形住宅融資」という住宅ローンを組むことができます。
住宅ローンには、大手銀行のローンや、フラット35など様々な種類がありますが、財形をやっておくと財形住宅融資という選択肢が手に入ります。
ただ、僕が調べた限りでは、財形住宅融資は魅力的だと思いませんでした。
財形の他のメリットとして、550万までにかかる金利が非課税になりますが、これは実質無意味です。金利は銀行の利子と同じでゼロ金利(0.01%程度)なので、10年かけて金利は550円程度。
財形貯蓄の金利はいくら?その見方とは | ZUU online
その20%程度が節税されるから、10年かけて100円程度が節税されますが、実質無意味ですね。
僕の考えでは、財政貯蓄制度は完全に終わったコンテンツです。メリットが感じられません。令和に持ち込みたくないです。
持ち株会制度
毎月自社の株を定額で少しずつ購入する制度です。
自社の株価が上がれば自分の資産が増えることになるので、仕事を頑張ろうというモチベーションになります。
通常、自社の株を購入するとインサイダー取引という犯罪になる可能性がありますが、持株会制度ならば可能です。
メリットとして、株を保有することで投資の感覚が身につくと言われています。
自社の株価が上がる、つまり自社が長期的に成長していくと考えるのであれば、アリかと思います。
ただし、数多くある投資の中でも、株はハイリスク・ハイリターンの投資です。
投資の練習を、わざわざ日本国内株でしなくてもいいんじゃないかな、というのが僕の考えです。
持株会制度は、高度経済成長期に日本経済が成長していた時代にお得だった制度であり、平成や令和には向かないと思います。
なお、イケてるIT企業であれば、ストックオプションとして社員に毎月で自社株を給料代わりに与えている会社が多いです。
可処分所得を増やせ!固定費を減らせ!
みなさん、上記で列挙した保険や制度に、毎月お金を投じていませんか?
悪いとは言いませんが、ちょっと見直してみたらいかがでしょうか。
いわゆる「家計の見直し」です。
ここで、「年収」と「可処分所得」という言葉の違いを説明します。
年収とは、会社から従業員に支払われる給料の額です。いわゆる「額面」です。
年収から、社会保険料(厚生年金など)や税金(所得税、住民税)が引いた額を、可処分所得と言います。いわゆる「手取り」です。
社会保険料や税金の額は、会社にも従業員にもコントロールできません。(例外として、ふるさと納税などの節税制度を使えば、節税できます)
「可処分所得は自由に使えるお金」と言われています。
しかし、実際にはさらに「固定費」がかかっています。
固定費とは、上記で列挙した、保険や年金制度、さらに住宅費などの定額でかかるお金です。
固定費を引いたものが、本当に使えるお金、真の手取りだと僕は思っています。
つまり、下記式のように定義したいです。
本当に使えるお金、真の手取り = 年収ー(社会保険料+税金)ー(固定費)
自分で手取りを少なくしていないか?
よく、お金が無くて苦しんでいる人は「手取りが少ない!!」と嘆いています。
そういう人は、まず固定費を見直してみてほしいと思います。
保険にお金をかけすぎていないでしょうか?
なんとなく、持株会制度に入っていないでしょうか?
財形貯蓄制度に入っているメリットを、自分で説明できるでしょうか?
余分なものに入っていると思ったら、明日から解約したらよいと思います。
住宅費を下げようとすると、引っ越し費用がかかるので簡単にはできません。しかし、保険を解約するのは比較的簡単です。
保険にお金をかけて、本当にやりたいことをできなくなってはいないか
僕は新社会人になったとき、「1円でも手取りを増やす」というスタンスを取っていたので、上記の保険等には一つも加入しませんでした。
その結果として、色々と加入させられていた会社の同期と比べて、手取りが3万円ほど高い状態で社会人スタートを切りました。
その3万円を使って、結婚式費用を貯金したり、服を買って身だしなみを整えたり、ドラクエの新作を買ったり、嫁とハイソなディナーに行って経験を積んだりしました。
そして2年ほどゆっくり考えてから、それぞれのリスクに対して、下記のような持論を導きました。
・病気リスク:対策するべき。がん特約を含めた医療保険に僕と嫁の二人分加入。
・老後資金:つみたてNISAで節税しながら、投資信託を長期運用して資金形成。子供の学費資金も兼ねる。個人年金は不要。
・住宅資金:令和時代には家を買うべきではないというスタンスを確立。財形貯蓄は不要。
令和時代に家を買うべきかどうか問題 - メタラーまとんがハイソにやらかすようです
・投資の練習:投資信託で練習。持株会制度は不要。
全てのリスクに対応できる保険は無い
もちろん、保険には全く入らなくてもいい、と言っているわけではありません。
保険でリスクに対策することで、安心感が得られます。
しかし、当然ですが、全てのリスクに対応できる保険はありません。
自分で調べて、取捨選択しなければなりません。
「みんな入っているんだから、入って当然だろう」という思考停止に陥ってはいけません。
自分のライフスタイルと、性格と、家族構成と、家族との相談から、じっくりと自分の頭で考えてください。
「月に数千円だから、ま、いっか」が危険
特に新社会人向けの保険は、毎月の支払額が低額であることが多いです。
「毎月3000円で、なんとなく安心できるなら、とりあえず入っておくか」こういった考えが、とても危険です。
毎月の自分の家計簿を見ても、低額だと無視してしまうことが多いです。
最近流行りの家計簿アプリ「マネーフォワード」では、支出の項目を円グラフで表示してくれますが、3000円だと小さすぎて円グラフにおいてほとんど存在感がありません。
しかし、チリが積もって山となる。
その3000円、本当に支払う必要があるのか、考えてください。
僕なら、一円でも手取りを増やして、子供の教育資金のために投資します。
毎月6万円をつみたてれば子供を私立医学部に入れられると試算していますので、一円も無駄にはできません。(5%の複利運用、18年間)
平成最後に教育資金を考える。つみたてNISAで資産を形成! - メタラーまとんがハイソにやらかすようです
「毎月300円だから」無駄な携帯のサービスに加入してしまった母
GWに久しぶりに親戚で集まって聞いたのですが、母親が携帯の機種変更をしたようです。
そこで、「携帯会社の窓口の人が色々説明してきて、よく分からないから、そのまま加入しちゃった。毎月300円だし、別にいいでしょ!?」と供述していました。
お母さん、よくないよ。
それ、年寄りを狙った悪質なヤツだよ。
YouTubeも見ないくせに、携帯会社が運営する有料動画視聴サービスなんて、使うわけないでしょ。。。
母はスーパーでは野菜を1円でも節約する努力家なのに、携帯会社に無駄な300円を支払うの、俺、悔しいよ。
こういったサービスは、「毎月の支払が5000円だから、300円追加しても気が付かない、バレにくい」といった消費者の弱みを利用しています。
この話、客観的に聞くと、「もったいないなぁ」と思うでしょう。
しかし、自分のことも冷静に見てみてください。
「もったいない」こと、していませんか?
家計の見直しをして、無駄な保険を棚卸してみてください。
私的保険はギャンブル。公的保険はたくさんある
最後に、僕が高校の社会科の先生に言われて唯一覚えている言葉を捧げます。
「保険はギャンブル」です。
言い方はとても悪いですが、保険とは、リスクが生じることに賭けて、お金を振り込むという商品です。
その意義をよく考えてください。
意外と知らない、公的保険
そもそも私的保険に入らなくても、日本には公的保険がたくさんあります。
・高額療養費:年間で医療費が8万円以上かかった場合、確定申告すればほとんど返ってきます。例えば年収600万の人が、手術することになり医療費が年間100万かかってしまったとしても、自己負担は約9万円なので、差分の約91万円が返ってきます。
・遺族基礎年金:家計を支えていた人が亡くなった場合、残された家族は遺族基礎年金(年78万+子供加算)が受け取れます。会社員or公務員なら、遺族厚生年金も追加で受け取れます(生存時の給料に依存)。
私的保険は、これらに上乗せするものです。
本当に必要か、考えてください。
僕は社会人1年目に、ファイナンシャルプランナー3級の資格を取得しましたが、その勉強でこれらを学びました。
そのおかげで、新社会人1年目から、無駄なお金を使わずに、手取りを増やしていくことに注力しています。
まとんの考え
僕の考えとしては、日本国が最低限の公的保険を準備しているのだから、私的保険にはなるべくお金をかけずに、本当に必要なものにお金を使って、将来に投資したいです。
具体的には、子供の教育費と、エンジニアとしてのスキルアップです。
つみたてNISAへの投資と、スキルアップへの投資(技術書の購入、コミュニティイベントへの参加、資格取得、機材の購入など)に、限りある資金を使って行きたいと考えています。
まとめ
- 保険屋の言うことを鵜呑みにせずに、食べログと同じように、自分の頭で考えて取捨選択しよう。
- 新社会人が入りがちな保険商品は、生命保険、医療保険、個人年金保険、財形貯蓄、持株会制度があるけど、本当に必要ですか?
- 無駄な固定費を削減して、本当にやりたいことにお金を使おう。自ら手取りを減らしていないか?
- 日本は公的保険が充実している。国が最低限の保障をしてくれている事実を知ろう。
以上、メタラーまとんでした。
ではでは。