ども!アラサーブロガーのまとんです。
2022年5月13日から公開の庵野秀明さん企画・脚本の「シン・ウルトラマン」を見てきました。評判通りの大満足できる作品でした!
以下、ネタバレを含みますのでご注意ください!
感想:人生長く生きるとオマージュが理解できて楽しい
映画をみて、まず思った感想が「人生長く生きると楽しいなぁ」です。
シン・ウルトラマンにはオマージュがたくさんあります。僕は30年くらい生きているので、30年間分のオマージュはなんとなく分かって、面白かったです。
もし仮に僕が今、10歳の子供だったら、「シン・ウルトラマン」を見てもこういう感想は抱かなかったと思います。
同じように、僕が子供の頃、(20年前)に見た作品にも、オマージュがたくさんあったたと思いますが、僕は子供だったので理解できていなかったと思います。
例えば、子供頃にスターウォーズを見ましたが、スターウォーズ以前の知識が無いので、オマージュがあったとしても理解できませんでした。
しかし今、僕はアラサーになったので、過去30年間分のオマージュを理解できるようになりました。
同じエンタメ作品を見ても、子供と大人で、人生の経験値が違うので、違った感想を抱く。
大人って良いですね!人生、長く生きると楽しいなぁ。
というのが、第一の感想でした。
現代美術ってこういうことか
同じように、アートの世界で「現代美術」というジャンルがあります。
現代美術は、過去の作品へのオマージュが散りばめられているのが面白いところであるそうです。
僕からすると、「いや、過去の作品とか知らんから・・・」と思って現代美術を楽しめないのですが、シン・ウルトラマンについては「30年分の過去の作品を知っているから」楽しめました。
人生を長く生きた方が、作品を楽しめる幅が広がる。ということなんでしょうね。
また、人生を長く生きているのは、映画のクリエイター側とも同じ。
僕もクリエイターも、共にこの30年間を生きていたので、30年分の新しい世界を知ってきた。地震とか、津波とか、テロとか、感染症とか、戦争とか。
その経験を、1966年の初代ウルトラマンにアップデートして、2022年の作品にぶつけている。
みんなで同じ時間軸を生きているんだな、というのを感じる作品でした。
エヴァまんまやんけ→そりゃそうか
シン・ウルトラマンの構成はエヴァとそっくりだなぁと思いました。
怪獣(禍威獣)が現れて、人類が現代兵器で挑むが敵わず、巨人の個人の力に頼ってしまう。
エヴァのパクリかー!?と思いましたが、いや逆でしたね。
庵野秀明さんが、そもそもウルトラマンに強く影響を受けていて、その結果エヴァできたので、エヴァがウルトラマンに似ているんですね。
宇宙戦はもはやガンダム
ゼットンとの宇宙戦はアツかったです!!!
前半の地上戦は特撮にこだわった結果として実写撮影風でしたが、宇宙戦は存分にCGでした。
巨大モビルアーマーに挑むガンダム感があって好きでした。ビーム兵器バシバシ使ってましたね。
特撮だと、撮影の都合から光線をせいぜい1本しか描けない”っぽさ”をだすために光線を1本に絞っていましたが、ゼットンはそういう制限を外して、現代SFのビーム兵器でした。カッコイイ!
「宇宙空間で兵器を製造する」という宇宙工場的なアイデアも好きでした。
JTBCエンジニアの感想:インフラを破壊しないでくれ~
僕が大人になって、JTBCエンジニアになったからこそ思った感想は「インフラを壊さないでくれ~~~」です。
特撮作というのはビルとか建造物を壊すのが醍醐味のようなところがあるようです。
今回は変電所とか臨海地区のプラントをバシバシ壊してましたが、「ひええ~~」でした。
あの山間部の高圧変電所を1個破壊したらどれだけ被害が及ぶか・・・都市部が何か月停電してしまうのか・・・とかリアルに想像できてしまって、最初の禍威獣には「やめろぉ!!やめてくれぇーー!!!憂さ晴らしで変電所を壊さないでくれぇーーー!!!」と心の中で叫びながら見てました。
細かい感想!
読ませる気の無い冒頭高速テロップ
冒頭で禍特隊の設立背景についての説明がありました。テロップが長いわりにサクサク変わって大変でしたね。
特に人の紹介は2秒ぐらいでパッパと変わるので、全然読めなくて、もはやウケました。
長いテロップは庵野作品の定番ですが、「読ませる気が気ないな?」と思ってしまいましたね。
現代の映像作品は、いずれHuluとかAmazon primeで何度も見返せることが分かっているので、「ゆっくり止めながら見てね」ということかと思いました。映画館での上映を否定しているまである。
後で調べて分かったのですが、初代ウルトラマンは、実は前作「ウルトラQ」というのがあり、ウルトラQではウルトラマンが登場せずに人間の兵器で怪獣と戦っていたようです。
この冒頭の説明は、「ウルトラQ部分もサクッと反映する」というオマージュだったんだろうなと思いました。
山本耕史さんかっけぇ
メフィウス役の山本耕司さんがカッコよかったです。
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で毎週見ている俳優さんです。
ちょっと悪いけれど、根っからの悪ではない、そんな役が凄く会う俳優さんだなぁと思いました。
マルチバースって言いたいだけでしょ
「敵が地球に攻めてくる」と表現するために、「全宇宙から攻めてくる」と言えばいいのに、わざわざ「マルチバース(多元宇宙)から攻めてくる」と何度も言っていました。
ちょうど最近、アメリカの大ヒットシリーズのマーベル作品でもマルチバース(多元宇宙)がテーマになってきたので、マーベルにぶつけて「マルチバース」って言いたいだけだろ!!!と思いました。
と、思ったら、そもそもウルトラマンシリーズにはマルチバースという設定があるんですね。初出はマーベルよりもウルトラマンの方が先なのかもしれない。
SFの発想って60年前から大して成長してないな
2022年の作品ですが、怪獣の倒し方には真新しいものは無くて、SFの発想って60年前からあまり変わっていないのかも?と思ってしまった。
60年前には無かったものと言えば、ホロレンズを被ってメタバース空間で行われる国際会議、ぐらいだったでしょうか。
SFが成長していないというより、昭和のSF作家の想像力が豊か過ぎて、なかなか超えられるものが出てこないというのが正しいのか
昭和のSF作家が全く想像できなかったのは、携帯電話やスマホだと言われていますね。
単位が正確でえらい
やたらと単位が正確な映画だなぁと思いました。
電気怪獣の電気ビームの威力は「50万キロワット」、ゼットンの爆発の威力は「テラジュール」と説明していました。
キロワットは電気の単位、ジュールはエネルギーの単位です。理系から見ても納得する、正確な単位の使い方です。
初代ウルトラマンではゼットンの威力を表現するために「1兆度の火球」という雑な表現だったようですが、「温度」は気体の密度や質量によって威力が変化する単位なので、ちょっと表現として不正確だなと思ってしまいます。
その点、シン・ウルトラマンは、しっかりと科学面が監修されているなと思いました。
個人的に好きだったのは、スペシウム光線で「イオンが放出されています!空気がプラズマ化しています!」というセリフですね。良いですね!せっかくなら空気分解によるオゾン臭もしてほしかった!
回転ジャングルジムは古いでしょ
平和の象徴として団地の公園で遊ぶ子供たちが移されていましたが、やたらと回転ジャングルジムが映っていたのが印象的でした。
いや、最近では回転ジャングルジムって危ないから撤去されているんですよね。違和感あったなぁ。
こればっかりは失礼を承知の上で言うと、庵野監督にお子さんがいないから、最近の公園事情を反映できていなかった(自分の子供の頃の感覚からアップデートされていない)のかなぁと思いました。
スタッフロールがもはやオモロイ。「選曲」てw
庵野作品はスタッフロールがおもしろいですよね。
いたるところに「庵野秀明」の名前があって、名前を探すだけで面白い。
今回面白かったのは「選曲:庵野秀明」ですね。そこ、わざわざ名前書く必要あったのか!?
「俺が選んだ名曲を聴けぇ!!」という自己顕示欲の塊でしょうね。そういうところ、嫌いじゃない。
以上、メタラーまとんでした。
みなさんも是非「シン・ウルトラマン」見に行ってください!
ではでは。