ども!エンジニア育児ブロガーのまとんです。
子供の知育玩具を修理するのが趣味です。
今日直したオモチャはこちら!
アンパンマンのおいしゃさんごっこオモチャです。
箱を開けるとコンテンツが山盛りで、聴診器、体温計、注射、診察券など。
スイッチを押すと音が鳴るタイプの楽しいオモチャです。
うちは長女はもうアンパンマンを卒業しつつありますが、次女はまだまだアンパンマン現役世代です。
しかし、注射の部分が壊れてしまいました。
キレイにスパッと断線しています。
かなり頑丈なケーブルなのに、この切れ方ということは、誰かが間違えてハサミで切ってしまったのだと思います。やれやれ。
ケーブルの断線は、繋ぐしかありません。
まずはワイヤストリッパで、ケーブルの被覆を剥いていきます。
さすがアンパンマンのオモチャ、めちゃくちゃ頑丈にできています。外側の白い被覆は厚みが1mmぐらいあって、ワイヤストリッパを使っても剥くのに苦労しました。
外側の被覆の中には、信号線のケーブルが2本。これが注射の先端のスイッチにつながっているという構造でしょう。
この2本の信号線は、外側の白い被覆と比べると、とても細いケーブルになっています。これは材料力学的に頑丈な断面構造のケーブルだなと思いました。
材料力学的に、ケーブルを曲げたときに曲げ応力がかかるのは、物体の外側です。曲げの内側にはマイナスの圧縮応力が、曲げの外側にはプラスの引っ張り応力がかかります。すると、実は物体の中心にいくほど応力がかからなくなり、中心点(中立点)では曲げても応力がかかりません。なので、構造を頑丈にするためには、「断面方向に厚くして、大事な部分は、なるべく内側に置く」ことが重要になります。このケーブルは、材料力学に則った断面構造をしているなと思いました。
信号線も被覆を剥いて、中のより線を露出させます。
より線を「くの字」にして、反対側のより線と絡ませます。このとき、後工程で熱圧縮チューブで絶縁するために、先に熱圧縮チューブを通しておくのがミソです。初心者は通し忘れて、あとで後悔しがちです。
あとは、誰の家にでもある安いハンダごてで、より線にハンダを流し込んで補強します。ハンダの接合は強度があまり高くないので、引っ張ったら簡単に切れてしまいます。なので、ハンダの接合よりも、最初により線を「くの字」にしてひっかけておく工程が重要になります。
あとは熱収縮チューブで2本の線が触れないように絶縁して、補強のためにセロハンテープでぐるぐる巻きにして完成です。
「子供に引っ張られる」というユースケースのオモチャなので、補強には力を入れました。
無事に、注射のスイッチで音が鳴るようになりました!よかったよかった。
ケーブルが太くて剥くのが大変だったのと、絶縁と補強がわりと大変でした。所要時間1時間ぐらい。
オモチャが直って喜ぶ次女の顔を見るのが楽しみです!
以上、メタラーまとんでした。
ではでは。