ども!まとんです。
良い歳したオッサンが東大受験を振り返るシリーズ、つづけます!
第四話 - 高2冬、メタラーまとんがメタラーを辞めた日
東大受験を決意して、地道にコツコツと勉強時間を増やしていった。
東大受験生の一日の平均勉強時間は10時間だと思う。
入試が近づくと14時間などになるが、高2の時点では10時間できれば良い方だ。
平日は学校の授業で6時間と、自学で4時間。
休日は自学で10時間。
受験勉強を始めると、学校の授業はあまり意味が無くなるので(受験勉強として効率が悪い)、自学がたっぷりできる休日が重要となる。
となると、休日の用事を極力減らさなければならない。
僕の場合は、バンドだった。
バンドに誘ってくれた恩人
中2の頃にベースギターを始めて、中3で同級生とバンドを組んだ。
この同級生というのが、僕の人生を前向きに変えてくれた恩人だ。
彼はいわゆるスクールカーストのトップにいるヤツで、イケメンで、男女問わず人気で、身長が高く、話が面白く、バスケが得意で、オシャレで、彼女がいて、悪いヤツだった。
彼の影響で、アニメを見始めてオタクになったり、初めてカラオケに行ったり、色々遊び方を教えてもらった。
彼からバンドに誘われてツルむようになると、周りのヤンキー達が僕をイジめなくなった。
むしろ、ヤンキー達と友達になれた。
「ヤンキーと友達になることでイジめを回避する」という、珍しい方法で僕はイジめから解放された。
僕は学校に行くのに抵抗がなくなって、快適なスクールライフを送れるようになった。
なお、「まとん」というあだ名をつけてくれたのも、彼だ。
中3から高2までやっていたバンド
中3の頃に初めてライブハウスでライブをやった。
バンドメンバーの趣味で、僕達はメタル音楽をやるようになった。
他の高校生バンドといえば、アジカンとかバンプとか、ロック系が主流な中で、僕らはメタルをやっている珍しいバンドだった。
特にデスメタルが好きで、デスボイス・シャウト・ツーバス・2.5音下げ・5弦ベースと、まぁどっぷりとデスメタルな構成でやっていた。
オリジナルの曲をやり始めると、地元のメタルシーンを牽引していた先輩バンド(歳は20台後半くらい)から目を付けられて、ライブの前座として1バンド目に出させてもらえるようになった(メタルをやっている若いバンドが、地元には僕たちしかいなかった)。
他にも、県外からツアーで来るバンドの前座に出させてもらったりして、だいたい月に1回の頻度でライブをしていた。
ライブをするには、曲を作らないといけないし、練習もしないといけないので、2週に1回程度の頻度でスタジオ練習をしていた。
これが高1~高2の僕の生活であった。
東大受験するんだ、バンドやってる場合じゃねぇ
バンドメンバーで進学校に行っているのは僕だけだったので、受験勉強を始めると明らかに温度差が生じた。
休日に10時間勉強しないといけないのに、ライブなんてやってる暇は無かった。
悲しいけど、バンドは辞めないといけない。
僕が辞めたら、バンドメンバーに迷惑をかける。
でも、僕の人生は僕のものだ。自分で決断しないといけない。
高2冬のライブを最後に、僕はバンドを脱退させてもらった。
僕の後釜には、どこかでスカウトしたベーシストが入ったらしいが、僕は勉強に集中したので、その後のことは知らない。
高2冬、僕はメタラーを辞めた。
東大に受かった後
それからバンドメンバーとは疎遠になったが、僕は勉強した。
結果として現役は落ちて、1浪して東大に受かった。
受かったことをSNS(当時はmixiだったかな)で報告すると、
恩人の彼は一言、「一緒にバンドやってたやつが東大に受かりやがった。あいつすげーわ」とエアリプしてくれた。
純粋に嬉しかった。
「東大受験する」と言ってバンド辞めたやつの恩返しは、東大に受かることしかない。
ちゃんと有言実行できてよかった。
何かを得るには、何かを犠牲にしないといけない
東大受験のために、僕は恩人との交友関係を犠牲にした。
東大受験というのは、そういうものだ。
これまでの人生がどうだろうが、関係ない。周りの環境も、関係ない。
とにかく、毎日10時間勉強する。これだけ。ただひたすら、勉強する。
そのためには全てを投げ捨てても構わない。
自分が1時間遊んでいる間に、ライバルは1時間勉強している。
前を向くしかない。
ただひたすらに、勉強した。
つづく
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僕が使っていたベース機材

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